takatai
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●群馬県の上毛新聞社の高崎のみ約62000部毎週金曜に
発行の折り込み紙です。月末の連載予定です
楽しみにしてください

筑井孝子の気ままにスケッチ 
       
◆23◆
  『仁叟寺の本堂とカヤ』『牛伏山の桜』 

 

 少し寒い4月の入りだったのが突然、夏日になるほど暖かくなり、あたりの桜が満開になりました。保育園や幼稚園を描いてほしいとの依頼がたくさん来て、県内全域を走り回るように描きました。子供に絵を描いてみせることがすごく好きな私にとって、あちこちの子供を描く春になりました。

 そんな中、タカタイも配られている吉井町が6月に高崎市と合併すると聞き、吉井町としての「最後の桜」を描こうと出かけました。

 約500年の歴史がある仁叟寺(じんそうじ)は以前、お客さまに頼まれて絵を描かせてもらったことがあります。違う寺に行く次男の方に贈る絵でした。西門を描き始めるとき、小さなカマキリの卵を見つけ、絵を描き終えるころにはカマキリの赤ちゃんがすべて生まれて卵から出ていきました。なんだかこの寺を成長して出ていく息子さんにつながるように感じたものでした。

 今回訪れたのは花まつり(お釈迦様の誕生日)の翌日で、ちょうど「お釈迦様誕生の図」をしまうところでした。長男である副住職さんにゆっくり本堂を案内してもらったり、花まつりについて詳しく話してもらったりしました。

 いよいよ絵を描こうとすると、幼稚園児のお孫さんが「外に行こうよ」と言います。境内のあちこちを説明し、「今度坐禅においでよ」と誘ってくれます。毎週水曜の夜に坐禅を組むそうです。本堂の手前には樹齢500年という大きなカヤの木があります。火災や戦災に遭うこともなく、本堂もカヤも今に歴史を伝えているそうです。

 描き終えたころ、重そうに奥様がおみやげを持ってきてくれました。中にはお釈迦様がその下で悟りを開いたという「菩提樹(ボダイジュ)」の葉でできたしおりと甘茶が入っていました。境内で見せてもらった菩提樹の絵の意味がよく分かりました。

 寺を出るとあたり一面、桜が満開です。ふっと見ると牛伏山が桜色になっています。光を浴びてすごく綺麗です。描き始めると、宅配の人が前に車を止めました。よく見ると、さっき仁叟寺で会った人です。「さっきはどうも」。なんだか不思議な出会いがたくさんあった一日でした。

 

『仁叟寺の本堂とカヤ』 『牛伏山の桜』
■左の桜の絵は
「筑井先生のスケッチブックV」
の中に出てくる絵です